コラム<これを知れば古代ギリシア演劇を理解できる>

古代ギリシアの演劇というのは
何回チャレンジしても理解するのが本当に難しいですね。

私は演劇系の大学に通っていたわけではないので、
演劇に関する知識がないことにずっとコンプレックスを持っています。
いまだにその気持ちがぬぐえなくて、、
でもそれが勉強する良いモチベーションにはなっています。

私は当初は清水裕之さんの『劇場の構図』やティドワースさんの『劇場』と言う本を買って勉強していて、

  

そこで語られるスタートもやはり古代ギリシア演劇なんです。

でもこの古代ギリシアの内容が全く入ってこなくて何回も挫折をしてしまいました。

2010年にmaking the sceneという本が出て、


これが非常に画期的な本だったんですね。

今まで劇場史や演劇史としてしか語られていなかったものを「シーンを作る」という観点から書いた本なんです。
それこそ我々舞台美術家にとっての本だなと思い、
2013年くらいから勉強会を立ち上げて仲間と読み込みを始めました。

これもやはりスタートは古代ギリシアでした。

この時にかなり勉強して、理解したつもりになっていたんですが、
最近見直してみると結構忘れているんですね。

しかしながらなんでまた古代ギリシアを勉強しようかといえば

毎年私は地元で舞台美術ワークショップをやっていて

今年のテーマを古代ギリシア演劇にしようと思い、今また勉強しなおそうと思っているところです。

古代ギリシア演劇 大体紀元前550年〜紀元前200年くらいと言われています。
特に三大悲劇詩人アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスの時に花開いたと言われています。

私はこの3人の名前を何度聞いても覚えられないのですが、、、、

アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス

アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス

彼ら3人が生きた時代が紀元前500年前後なので彼らの戯曲を知るには
この辺りの古代ギリシアの歴史を知っておく必要があるんです。

さらには彼らがモチーフにしたであろう物語を知る必要があるんです。

恐らく私が何回も挫折したのはこの辺りの歴史を理解していなかったか事が原因かもしれません。

しかしながら、その周辺の歴史をおさらいするのは結構大変なんです
先日、舞台美術ワークショップの打ち合わせをしている時にとてもいいことを教えてもらいました。

「古代ギリシア演劇」を知るには3つの戦争を抑えればよいと。

その3つを言いますと

1<トロイア戦争>BC1260年 – BC1180年
2<ペルシア戦争>BC492~BC449年
3<ペロポネス戦争>BC431-BC404

です。
世界史を知らないと全くわかりませんね。

一番重要になるのはトロイア戦争になると思うのでこれだけ確認しておきましょう。

<トロイア戦争>
ギリシャのスパルタとトロイアとの戦争。
地理的なものはこんな感じになります。


エーゲ海を挟んでスパルタとトロイアが戦ったわけです。

トロイアの王子パリスは相手国のスパルタ王妃ヘレネと恋に落ち、自分の国に連れ去ってしまうんですね。それにおこったスパルタ国がヘレネ奪還のために始めた戦争です。

この戦争には実にいろいろなお話のモチーフが盛り込まれていて
この戦争に出てくる言葉を書き出してみると

ヘレネ、アキレウス、アガメムノン、パリス、トロイの木馬など、

聞いた事がある名前がたくさん出てくるんです。

今はyoutubeの動画でいろいろ見れますから、そこから勉強するのが一番手っ取り早いかもしれません。

私が見てわかりやすかったのは渡辺いっけいが出ていた動画で、
六本木のキャバクラを舞台に大学教授がギリシア神話を語るという不思議な設定だったのですが、、。

このドラマの設定はめちゃくちゃなのですが、ギリシア神話の捉え方が非常に明快でとてもわかりやすかったです。

このトロイア戦争はずっとただの「神話」だと思われていたんですね。

それがドイツの考古学者シュリーマンによって1873年に実際にあったことが証明されたんですね。

話は三大悲劇詩人に戻しますが、、、

三大悲劇詩人 アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス

彼らはこのトロイア戦争を自分の作品のモチーフにしているわけです。
だからまずはこのトロイア戦争を知らないと古代ギリシア演劇も理解できないわけなんです。

トロイア戦争は紀元前13世紀頃と言われて、三大悲劇詩人は紀元前5世紀の人ですから彼らにとっても800年も昔の話なんですね。我々が平安時代や室町時代をモチーフに作品を書くようなものです。

というわけで、古代ギリシア演劇を知るにはまずはトロイア戦争を知る必要があるわけなんです。

あとにあげた二つの戦争<ペルシア戦争><ペロポネス戦争>は紀元前500年前後のものなので
三大悲劇詩人にとっては現代の戦争になります。

そこを知ると彼らが生きた時代情勢もわかるのでその辺りも時間があれば抑えておきたいポイントではあります。

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