<2021移動祝祭商店街『歩く庭』振り返り_3>
”景”とは何か?
アルベルティの<truly festive space>が転じて
今回は<truly festive scene(祝祭の景)>がテーマになりました。
そして、豊島区の”景”を乗せたトラックを”景トラック”と名付け、
豊島区の街を巡回させました。
そもそも”景”とは何か?
もちろん昔からある言葉ではありますが、
ここでの”景”は舞台美術家の杉山至さんが思いついた言葉でした。
英語の文献を読んでいた時にscene、scenic、scenographyなどの言葉を一言で表す日本語がないとなり、
あえていうならば”景”ではないか?
”景”という言葉を軸にできあがる言葉。
風景
光景
景色
景気
情景
などなど
これがまさにscene、scenic、scenographyではないか。
そんな所から生まれた言葉が今回の”景”です。
先日、多摩美の共同研究でチラシを整理していたら、
チラシに<五幕十二景>と言う言葉を見つけました。
最近は景という言葉はあまり使われませんが、
もともと芝居は1幕1場1景という単位で区切られていました。
幕→緞帳幕が降りて休憩が入る。大きな区切り。
場→場面設定が変わる区切り。
景→場面をさらに細かく分けたもの
つまり”景”が集まりが”場”を作り、”幕”を作る。
そもそも舞台美術家の仕事は”景”を作っていたのだと再認識させられました。
今回も、豊島区の街をモチーフに”景”を集め、”場”を作る。
そんな我々なりの表現ができたらいいなと思いました。