2021移動祝祭商店街『歩く庭』振り返り4_アロエに取り憑かれる

池袋本町の2日間のリサーチを終えて、実は一番気になったものがアロエでした。いや、正確に言うとその時はそこまで気になっていなかったかもしれません。あとからじわりじわりとそのアロエに取り憑かれていった感じです。

池袋本町でアロエ?

と思われるかもしれません。

撮影/鈴木健介

その出会ったアロエは、小松湯とマチノオトの近くにありました。
空き地に生えていた普通のアロエです。
しかし、なぜか歩いていた人の目を引いたのです。
みんな写真を撮りました。
私も撮りました。
あとでその写真を見たら、なぜかそのアロエが神々しくとても力強く感じたのです。

今まで、街のアロエを意識した事なんてありませんでした。
しかし、池袋本町のアロエに出会ってからは、街の至る所にあるアロエが目に入ってくるんです。
「こんなところにもアロエがあった!」
「ここにもあった!」
自分が普段通る道で全く目に入ってこなかったアロエがこの日を境に目に飛び込んでくるようになりました。

勝手にアロエに開眼したと思いました。
いや、アロエに取り憑かれたと言ってもいいかもしれません。

改めて池袋本町で出会ったアロエの場所を地図で確認してみると、池袋本町のまさにど真ん中にありました。

池袋本町の”おおもと”はこのアロエなのではないか?と勝手に妄想を膨らませました。

このアロエを調べている時に池袋本町の道路拡張計画の事を知りました。数年後、池袋本町のど真ん中に大きな道路が十字で通る。

今ある民家や商店街の多くは立退にせまられる。
そんな事を聞いた時にリサーチの時に見た光景のほとんどは数年後になくなってしまうのだと気付かされました。

大地に根差すアロエ。
それと対照的に道路開発によって宙ぶらりんな状態の街。

そんな対称性が見えて来たのでした。

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